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賃貸住宅で火災保険が必要な理由

火災保険への加入は義務付けられていませんが、万が一の事態に備えて加入がおすすめです。賃貸物件において賃借人が火災を起こしたとしても、明らかに重大な過失がなければ再建費用などを負担する可能性は低くなります。しかし、オーナーや有識者の判断によっては賠償金が発生するケースもありますので、その後の生活を守るためのリスク回避として火災保険に加入するのが賢明です。

参考までに、2015年に発表された内閣府の「保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会」によると、持家世帯における火災保険や共済の加入率は約82％でした。水災補償まで付帯しているものは約66％、地震補償まで付帯しているものは約49％と補償範囲は異なるものの、多くの持家世帯が様々なリスクに備えていると判断できます。賃貸住宅でも不測の事態に備えることが大切です。

火災保険の種類について

火災保険は、主に3つの保険で構成されています。こちらでは、火災保険の種類を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

・借家人賠償責任保険

借家人賠償責任保険はオーナー（借家人）への賠償責任を補償する目的の保険です。具体的には、入居者が部屋で火災を起こし、オーナーから修繕費用を請求された際に利用できます。入居者（借主）の過失で物件の修繕が発生した場合でも、入居者に支払い能力がなければオーナーが不利益を被りかねません。しかし、入居時に火災保険に加入してもらうことでオーナー側も入居者側も万が一の事態に備えられます。

・家財保険

家財保険は火災保険のベース部分にあたるもので、家財補償とも呼ばれています。部屋で火災が発生し、家具や家電が消失してしまった場合、新しく家財を揃えなければなりません。しかし、火災後の補償に加え家財の出費となれば生活に支障をきたすため保険に加入して備えるのが好ましいでしょう。また、家財保険は火災だけでなく落雷や水災、盗難などにも適用されます。

・個人賠償責任保険

個人賠償責任保険も火災保険に含まれます。火災だけでなく日常で発生する賠償責任を補償するための保険ですので、賃貸物件での漏水事故や物品故障だけでなく、他人を怪我させた場合などにも利用可能です。ただし、個人賠償責任保険は自動車保険や傷害保険の特約として付けられますので、他に加入している保険と重複しないように事前に確認してください。

賃貸住宅における火災保険料の相場

参考までに、茨城県内における木造物件の火災保険料の相場は約15,000～20,000円、鉄骨造の場合は少々下がり約12,000～19,000円です。引受保険会社や補償金額により差がありますが、火災保険に加入する場合はおおよそ20,000円程度と見ておきましょう。

火災保険は入居者に義務付けられてはいませんが、万が一の場合に備えられますので加入がおすすめです。ただし、補償内容が複雑であることや必要な付帯サービスがわからないといった理由から、申し込みを躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。火災保険に関することで不明な点があれば、希望する物件を管理する不動産会社に相談し、サポートを受けるのがおすすめです。